社会人にとって、敬語は相手に敬意を示す基本的なコミュニケーション手段です。しかし、正しい使い方を理解していないと、誤用によって印象を損ねることがあります。ここでは、ビジネスシーンでよく間違えやすい敬語と、正しい使い方を整理します。
1. 二重敬語
二重敬語とは、同じ意味の敬語を重ねて使う表現のことです。
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間違い例:「ご確認いただけますでしょうか」
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正しい例:「ご確認ください」「ご確認いただけますか」
「いただく」はすでに尊敬語・謙譲語の役割を持つため、「~いただけますでしょうか」とすると重複してしまいます。相手にわかりやすく、簡潔に伝えるのがポイントです。
2. 尊敬語と謙譲語の混同
相手を立てる尊敬語と、自分の行動をへりくだる謙譲語を混同すると、意味が逆になってしまいます。
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間違い例:「私が御社にお電話いたします」
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正しい例:「私から御社にお電話させていただきます」
「いたします」は謙譲語ですが、電話の相手を立てる場合は「~させていただきます」と表現するのが適切です。
3. 過剰敬語
丁寧すぎる表現は、かえって不自然に聞こえることがあります。
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間違い例:「誠に恐れ入りますが、ご了承いただけましたら幸いでございます」
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正しい例:「恐れ入りますが、ご了承いただけますと幸いです」
文章や口頭での過剰表現は、相手に違和感を与えることがあります。適度な丁寧さを心がけましょう。
4. 「させていただく」の誤用
「させていただく」は謙譲語ですが、使いすぎると冗長になり、意味がぼやけます。
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間違い例:「ご説明させていただきますので、よろしくお願いさせていただきます」
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正しい例:「ご説明いたしますので、よろしくお願いいたします」
一文に複数回使うと不自然になるため、適切に省略することが重要です。
5. 「お~する」の使い方
「お~する」は謙譲表現ですが、名詞によっては不適切になる場合があります。
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間違い例:「お伝えいたします」→名詞「伝える」自体は動詞として成り立つため、状況によっては「ご連絡いたします」の方が自然
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正しい例:「ご報告いたします」「ご連絡いたします」
相手に伝わりやすい言葉を選ぶことが大切です。
まとめ
敬語は、単に形式を守るだけでなく、相手に敬意を正しく伝えるための道具です。二重敬語、尊敬語と謙譲語の混同、過剰敬語などは、ビジネスシーンでよく見られる間違いです。正しい敬語を使うことで、相手にわかりやすく、信頼感のある印象を与えることができます。日常的に自分のメールや口頭表現を振り返り、必要に応じて修正する習慣をつけることが、できるビジネスマンへの第一歩です。